Twitterのタイムラインで流れてきた『日本三國』という作品。気になったので早速第1巻を購入して読んでみたら、ものすんごい衝撃的でした!かなり面白い漫画です!
今後トレンドになること間違いなし。漫画好きならぜひ今のうちに押さえておきましょう!
『日本三國』のあらすじ
令和末期に世界で核戦争が勃発。日本は戦火こそ免れたものの、少子化、疫病、大災害、政治の大敗などが続き、事実上の文明崩壊――。主人公の三角青輝はとある出来事をキッカケに、日本の再統一を目指して立ち上がります。のちに奇才軍師と評される彼の伝説が、今はじまる――!
近未来の日本が舞台です。文明レベルは明治初期くいまで衰退し、日本は3つの国に分かれて戦(いくさ)を繰り広げています。
近未来の話でありながら歴史もののような面白みが癖になる、まったく新しい設定の物語です。
小学館が運営する『裏サンデー』というWEBコミック配信サイトで連載されています。
作者・松木いっか
1994年生まれ。小中高とサッカー漬けの毎日を送る。2018年、『熱弾空間』にて第38回イブニング新人賞大賞を受賞。花沢健吾氏らのアシスタントを経て、本作『ブクロキックス』で連載デビューを果たすヤングマガジン編集部期待のルーキー。
『ブクロキックス』は全5巻の漫画で、ブラインドサッカー(目隠しをした状態でのサッカー)をテーマとしています。
その後『ハコヅメ』の作者・泰三子を原作として『シキブアイラブユー』という読み切りも描いていて、こちらは「源氏物語」で知られる紫式部を主人公とした漫画です。
『日本三國』が無料で読めるのはココ!
マンガワン
『日本三國』は漫画アプリの「マンガワン」で読むことができます。1日4話までなら、どの作品を読んでも無料です。
Twitter(第1話のみ)
作者・松木いっかのツイートでも第1話を試し読みすることができます。
世界大戦後、日本が三国時代に突入する話 (1/21) pic.twitter.com/f2nxYAnMwo
— 松木いっか/Ikka Matsuki (@IKKA_neko) March 10, 2022
『日本三國』の魅力・感想
『日本三國』を読んだ素直な感想をまとめつつ、作品の魅力を紐解いていきたいと思います。
他作品とは一線を画す“歴史もの”
『日本三國』は、もうあえて“歴史もの”と言ってしまってもよいでしょう。しかし史実に基づいているわけではなく、あくまで架空の未来の話です。ここに面白さがあります。
『日本三國』のストーリー設定自体は令和よりもさらに後世の近未来なのですが、日本は3つの国に分かれて、戦国時代のように戦(いくさ)を繰り返しています。
ざっくり言ってしまえば「少し先の未来で日本が戦国時代に突入する」というストーリーです。
作中には「長篠の戦い」というワードが出てきたり、主要人物として平家(たいらけ)の一族が出てきたりと、史実をオマージュした要素もたくさん出てきます。
しかしながら登場人物はスーツを着ていたり、話のなかで「ユニバーサルスタジオジャパン」が出てきたり、モデルとなっている場所に通天閣が登場したりと、やはり現代以降の世界なのです。
設定もよく練られているのでそこに違和感が全くなくて、まるで「戦国時代のまま現代まで至ったパラレルワールド」に迷い込んだかのような、不思議な世界観を味わうことができます。
主人公は「知識」と「弁論」で戦う
設定は戦乱の世ですから、少年漫画であれば刀を持った主人公が敵をバッタバッタと格好良く倒していくでしょう。
しかし『日本三國』の主人公・三角青輝(みすみあおてる)の武器は武力ではなく、膨大な知識量そして弁が立つ(話し方がうまい)ということ。
三角は「頭カッチカチの屁理屈(へりくつ)男」と言われるほどで、感情よりも論理がまさる性分です。そして古代中国の『孫子』を始め、いくつもの兵法書を論じるだけの知識があります。
彼は武力ではなく、知力を使って天下統一を目指すのです。読者にとって多少は小難しく感じる場面もあるかもしれませんが、彼の戦略性・発想はかなり魅力的で、ぐんぐんストーリーに引き込まれていきます。
けっこうエグい
戦乱の世とあって、権力者による理不尽な処刑シーンがたくさん出てきます。第1巻にして、かなりのエグいシーンがありました。
かつて実際に日本で行われていた車裂きという、馬に人間の四肢を引っ張らせる処刑法も登場。思わず目を塞ぎたくなってしまいます。
「エグい=魅力的」というのは少し強引な気もしますが、漫画だからこそできる表現方法だと思うので、息を飲むようなスリル・エグさを求めている人にとっては1つのオススメポイントと言えるでしょう。
『日本三國』はどんな人にオススメ?
最後に、漫画『日本三國』がどんな人にオススメなのかを紹介します。ただし個人的な意見・解釈なのであしからず。
漫画『帝一の國』が好きな人
『帝一の國』が好きな人にオススメです。主人公をはじめとして、生徒会長を目指している面々がめぐらす政治戦略・知略・カリスマ性による知的なバトルが好きなら、『日本三國』の主人公にもきっと惹かれるでしょう。
少年漫画のように派手な戦闘シーンこそありませんが、自身の頭脳と弁論によってのし上がっていく展開には、『帝一の國』読者もハマるはずです。
漫画『キングダム』が好きな人
『キングダム』は中国の史実に基づいた作品です。一般的な歴史の解釈とは違ったり、作品オリジナル要素もあったりはしますが、時代背景や歴史がしっかりインプットされているからこそストーリーにも厚みが出ているのではないでしょうか。
『日本三國』は架空の時代背景ではあるものの、実際の史実をもとにしたと思われる政治制度や戦いが登場します。それがストーリーに厚みを持たせているうえ、「教科書で読んで知っている」というワードが登場する楽しさも『キングダム』と似ていると感じました。